Saturday, May 9, 2015

自作派と変態に関する考察と絵を描くこと。

こんにちは、久々の土日更新です。
最近文章がないですね、と言われて考えてみたら長文書いてなかったね。
これ結構時間がかかるんですよ。
僕はいつも文字を打つのが仕事なので、文を書くこと自体そんな苦労はないんですが、むしろ内容がね…
言っちゃいけない事書いたり、誰かがイヤな気持ちになることだったり。
なるべく一晩は寝かせてから公開するようにしてるんですが、
ま、それもこれもあなたの事じゃないですから安心して読んでね。

自作した犬号はとても見所が少ない、いやわかりにくい。
「このバイクはどこがすごいんですか?」そういう率直な質問もあるけど
「どこもたいしてすごくないけど、ほぼ全体を手間をかけて好きな格好に改造してます」って答えてます。

そのわかりにくい改造のポイントを丁寧に説明すると必ず言われるのが
「変態ですねえ…」
感嘆とも呆れとも、多少の褒め言葉的ニュアンスがないこともない変態の称号。

こないだのDEUSでも、先日取材にきてくれたHOT BIKEの池田さんも、まだちゃんと読んでないけど電話でインタビューみたいにしてくれたCruisinの人も(そうそう!今売ってる号にダートトラックに遊びに行った時の犬号が出てるらしい)も
みんな口を揃えて
「変態だねえ」って。
僕にとって変態=練馬変態クラブであって、こまわりくんに出てくる変態以外の何ものでもない。
過去に自ら変態を名乗る個人で改造してる人もいたけど、自分からすすんでこんなイメージになりたいとは絶対思わないな。
僕にとって改造は楽しみであり、内省的作業ではあるけど
決して修行でもなければ苦行ではない。機械加工ももちろんお願いしているけど、限られた予算の範囲内で最低限の部分で済ませて手で削れるものは全て手でやってる。
友達にもらったよく切れるヤスリで無機質な四角い板を自分の好きな形に削り出すことは喜び以外の何ものでもないよ。


変態とは言わなかったけど、大神戸の河田さんも「ほとんど気が付く人はいない改造ですね」って言ってくれたり、その地味な作業の積み重ねは自己満足の世界ではあるけど、誰かに伝えたい部分でもあるから

改造した部分がわかりやすいように
絵を描いて解説を付けた。

これは素晴らしい手ヤスリの世界を紹介するページ


マグネトー作戦とか、ハードテールとか、ダート用にリアフェンダー作り直しとか、もっと改造したいこともあるんだけど、今は仕事もすごく忙しいし、近所の家も窓を開けて気持ちいい風を取り入れる季節なのであまり作業ができないんだ。

だから改造箇所を絵にする作業に没頭した。
本当ならもっとデッサンとかちゃんとやったり、写真からきちんとトレースしたらいいのかも知れないけど、気持ち優先でさ、なるべく下書きなしでゴシゴシ描いてみたんだ。

今回のブックはまとめみたいにしたけど、実際作業する前にもこういうの結構描いてるよ。
ツールバッグ作るとき、新しくパーツを作るとき、頭の中にある漠然とした段取りやデザインを確認する作業として絵を描くのはすごく僕に合ってる。

とりあえず作ってやり直しって方法はすごく間違いがないけど時間もコストもかかるし、
あまり何度もやってるとやりたくなくなったり辛くなったりするじゃん。
快楽主義の僕は本当に辛い(からい、じゃなくてつらいね)のは嫌いなんだ。
途中でやめる理由は山ほどあるけど、作り続ける理由はひとつしかないんだから、
それが辛すぎるなら僕はすぐやめるだろう。
絵を描いてる時はイメージも膨らむし、早く手を動かして作りたくなる。
やる気を高める効果もあるんだ。

こっちはリア側のフレームをアイアンにした経緯を描いてある

この下側のラグって今は覗き込んでも見えないんだけどさ。

性的に例えるなら別にストッキング専門とか、ムチで打たれないとイカないとかそんなレベルの変態ですらないと思うけどな。

ボツにしたのもあるけどこんな感じ。
文字だって活字を入れるのなんてメンドクサイけど簡単。
でもちょっと読みづらい僕の字で手書きでさ、自分で決めたルールとか書いて。
ちなみに3つのルールはこんな感じ

1)まず普通に走って曲がって止まれること。あちこち擦るからコーナーは絶対最徐行とか、前のブレーキがないとか、エンジンがいつも調子悪いとか、僕はそういう感じはちょっと厳しいのでバイクとしての最低限の性能は欲しい。

2)改造しすぎないこと。すでに改造はやり過ぎてる感もあるけどさ、これはものすごくネックを寝かせるとか、異常に背が高いとか、そういう事はしないって意味。あくまでもライトカスタム、軽〜く改造したテイで走りたいんだ。

3)お金をかけるなら手間をかけよう。貴重なビンテージ部品が山盛りのバイクも、何十時間も機械加工をしまくってパリッと出来てるバイクも、すごくコストをかけた上で成立してる。予算や労働力,機械を潤沢に使ってつくることは今の自分にはできない。
僕のポリシーは、まずともかく自分の手を動かすこと。




このブックは5月14日まで原宿にあるDEUSのカフェに犬号と一緒に展示してあるよ。
正直なところ左のカブより小さい犬号

しかしこのDEUS 僕にとってはかなり謎の団体。

僕は三年くらい前に代々木のスタジオで撮影した時にそこのオーナーから高価そうなDEUSの写真集を見せてもらって存在は知ってたんだけど、
比較的高価なアパレルとかカフェとか、いろいろやってるみたいだし、
いきなり僕に賞を出す事自体、日本のバイク業界とは特に縁はないのかも知れない。
後からいろんな話も教えてもらったり、メールで「お前は外国の会社に尻尾振りやがって!」みたいなことを直接僕に伝えてくれた人もいたけど実際はどうなのか僕もわからないんだよね。
ただ、こういう地味な自作バイクは日本のショーに何回出しても一生何ももらえないだろうから、僕にとってはラッキーだったと思う。
DEUSで働いている人たちはみんな感じがよかったし、近所の人はちょこっと行ってバイク見てやってください。

と言う訳でみなさん良い週末を!


















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