Tuesday, May 17, 2016

超アナログ、犬的点火時期の調節方法


今日は何かのトラブルで写真がアップ出来なくなってるから
文章です、ゴメン
最近振動が大きくなった気がしたり、熱が高くなったような気がしてた。
そう、数値で温度を測っているわけではないし、振動も体感的なものなので、
スイングアームのベアリングの少しの緩みとか、
気温が暖かくなって来たからエンジンが熱く感じているのかも知れないし。
でも、これで高速走るのはイヤな感じだなってくらいの状態ではあったんだ。
で、高速道路のったら明らかに激しい振動とリアフェンダーもビビってる。
パーキングで確認するんだけど目で見たり手で触るくらいでわかるような緩みはなくて、
あ、タンクのマウントだけ少し緩んでた。
で、ともかく高速道路で熱くてパワーが出ない。
プラグを見ても真っ白とかではない。
あまり熱くなるのは心配だからとりあえず隙間なくきちっとプラグを締めて
メインジェットの番手を大きくして場当たり的にしのいで千葉に出かけた。
で、本当は写真を載せるつもりだったON ANY SUNDAYの石井さんところと、
Sure Shotの相川さんのところにお邪魔して、相川さんと話してたら
「それもしかして点火時期?」みたいなことになって「スタティックで調整してます?」
スタティックとは静止状態で調整するやり方。

聞かれて、うちにタイミングライトがないので「スタティックにしかできないくらいスタティックにやってます」と答える僕。
でも考えてみたら、キックに換えたときエンジンの始動のしやすさを重視するあまり、点火時期はそもそも遅めに設定してた。

最初は点火時期って早い方が調子いいらしい、みたいな感覚で、上死点手前くらいで調整してからプレートごとザックリ回して点火時期を目見当で早めてたんだ。

そしたら、キックバック、いわゆるケッチンがかなりの頻度で起こってさ、
これけっこう怖いんだ。
以前1986年頃のカムデコンプがついてないXR600なんか不用意にキックすると、ケッチンでロケットみたいに打ち上げられてるヤツがいたし、僕も試しにキックして軽く離陸したことあった。
ケッチンは大変嫌いなので、さらに目見当でこれまたザックリ点火時期を遅らせてた。

確かに不必要なくらいきれいな感じでいわゆる三拍子だったし、
キックなんてとりあえず踏み下ろしたらかかる感じだし。
で、高速道路みたいな開けたままのところではドンドンドンドンドンドンドン…って
太鼓を叩くみたいなある意味きもちいい走り方で、スピードの乗りには多少時間がかかる感じもしてた。
ハーレーは車種にもよるけど、エンジンをかける時は上死点前5°で点火して
進角して行くと上死点前35°とか40°くらいまで点火時期が早まるようになってる。
僕のはポイントなので回転が上がるとガバナーが開いてそこまで進角するはず。
本来ここでタイミングライトを使って点検の穴を照らすと
進角のマーク「。。」みたいなのが窓から見えるはず。
使い捨てカメラ「写るんです」を使って自作タイミングライトを作ってる人も多いけど
この時代、むしろ「写るんです」って何?って感じでだれも知らないだろう。タイミングライトは後日入手するとして、日曜の朝スタティックで点火時期再調整を試みる。

ここからさらに文字だけだし、メカが嫌いな人は読まないでいいです。


まずはポイントの合わせ目をオールドタイマー誌付録のポイントヤスリできれいにして、
現状でギャップを0.5ミリに合わせる。
この時シックネスゲージを使うんだけど、
この板みたいな隙間検知器、
これで隙間をどうやって測ればいいのか困っている人も多いだろう。
隙間がスカスカでは数値より大きくなるし、
キチキチでは、特に自由に開くポイント隙間なんかいくらでも小さくなってしまう。

僕は「オイルを塗った手でしっかりつまんでおいてそれを引き抜くくらい」と教わったけど、
一番いいのは上手な人が測った後自分でシックネスゲージを通してその感覚を身につけること。
昨日の話じゃないけど、いいバイク屋さんならきちんと隙間を合せてくれるから、
その日のうちに自分でその隙間にシックネスゲージを通して感覚をつかんでおく。

僕は一緒に働いていた凄腕メカの豊田剛さんがオフ車のタペットクリアランス調整をしてる時は、目を光らせつつ横で待ってて、フタする前に「ちょっと!」って言ってゲージが抜ける感覚を盗ませてもらってた。


さて、その後はタメさん方式で、プラグを外してリアタイヤを浮かしてキックとタイヤ回しで前側シリンダーの上死点を出す。

そこにスターバックスみたいなところでくれるコーヒーを混ぜる木の棒を差し込んでプラグの穴とそろったところになるべく細いペンで印をつける。
この棒を差してる時はエンジンを回したりキックしてはダメだよ。


スポーツスターはほとんどの年式でストロークは96.8ミリなのでこれを一周360°で割って一度当たり何ミリ動くか計算すると
そうすると1°であれば0.26ミリ
5°で1.34ミリ
これは木の棒ではなかなか計測しずらい数値が出て来た。
しかし、木の棒を取り出して、上死点からノギスで測ってほぼそのくらい…ってところに印を付ける。今回は点火時期を早めるのが目的だから、線の太さで曖昧な部分では
早め早めの位置を採用したらいいだけなのである。

上死点手前に1.34ミリの高さにタイヤを回して戻してここでポイントが開き始めるようにする。
僕は導通テスターとワニ口クリップに電球を付けたものを用意して聴覚と視覚両方から感覚的にポイントの開くタイミングを検知した。

と言ってもポイントのいいところはけっこうズレててもちゃんとエンジンがかかって走るところ。
だからって、雑に出来てるから雑に調整したらキリがないので、出来る限り正確に調整する。
さらにポイントのセンターを止めている頭の大きな細いボルトの頭にマーキングして
上死点でカムがどこにいるかを調べる。
ボルトの頭は6角で一辺が60°なのでそれを半分に割ると30°
さらにそれを6等分すると5°がわかる。
こうして見ると5°ってけっこう大きい。
ここでスタバ棒とリアタイヤ回転を使って、上死点前5°をなるべくきちんと合せてから
プレートにマジックで合わせマークを書いて一応の目印をつける。
少し広いところに移動して
エンジンがかかるか、走れるか試しつつ、プレートを時計回しに回して少しずつ点火時期を早める。
ここは慎重に。
そうやってると、いわゆる三拍子っていう状態から
ダンダンダンダンッ!って感じのアイアンっぽいアイドリングに変わるのがわかる。
アイドリングも少し高くする。
これで止めて再始動はどのくらいやりやすいかを調べつつ何度か回したり戻したり。


あとは町を走ったり高速を走りながらプラグや感覚と相談しながらジェットを再設定してやる。

でも、自分でやってみてわかるのは、いい感じで大ざっぱでもちゃんと動くおおらかさと、もしもきちんと前後の爆発や進角を極めたいなら、電子制御も絶対アリってこと。
僕は出先でコンデンサがダメになって交換したり、ポイントを掃除して帰ってきたこともあったので、それがサバイバル的に安心と思ってるところもあった。

でも、万が一の一瞬のためにいつもの走りを犠牲にするってのもどうなのか。
FCRなんか付けちゃったからよけい走りに対して欲がでてきたってのもある

進角を見直しただけで少なくとも加速はかなり改善して(元が良くなかったんだけど)
発熱もずいぶん減った。
ダイナ2000iとか欲しくなっちゃうな。





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