Thursday, June 24, 2010

これがホントの半穴問題。

前と後のフレームで位置が決まれば
エンジンマウントとチェーンラインを合わせて、
マウント位置を合わせてカラーを入れてエンジンマウントを固定。
その後でトップチューブを作ってフレームに仮付け。
最後にエンジンを下ろして本溶接すればフレームの合体は終了!するはずだった。
しかし話はそう簡単ではなかった。




この写真で見るとスイングアームのピボットの丁度上と下にある銀色の部品、パイプ状のカラーでマウントの辻褄を合わせるはずだった。
この部品の長さがホイールベースを決めることになる。
Kフレームのアイアンスポーツ本来の位置に比べると少し後ろに下がってしまったが、スイングアームピボットとリアのエンジンマウントとのクリアランスはかなりギリギリまで近づけた。
ここの位置が5ミリ変わるだけでも全体の印象にかなり影響する事がわかった。
そしてそんなところが気になって仕方ない自分に気がついて大変驚かされた。

リア側のエンジンマウントボルトの穴位置、ここはどうやっても半穴から穴一つ分は開く。それも水平軸垂直軸どっちにもずれている。

チェーンラインで数ミリ分くらいはまだどうにかなる状況なんだけど、ここだけはもうどうにもならない。


現実逃避的に反対側に回ってみる。
まあ、こういったことはあらゆる角度から眺めることがとても重要だな。
こちら側はピボット付近にカラーが来てもプライマリーケースに隠れて気にならないはず。よく見るとプライマリーケースの裏にはピボッドの逃げが作ってあった。


半穴ずれていた原因はエボフレームとKフレームの形状そのものの違い。
鋳物のリアフレームにネジが切ってあったKフレームに対して
エボのリアフレームはパイプ、そのパイプの丁度真ん中にエンジンマウントボルトが来ることを嫌って僅かにオフセットしてある。少なくともそのように見える。

作業前にせっかく作ったカラーは無駄になり、全体のバランスが一番自然かつ美しい位置で再度ボルトの穴位置を計測し直すことになった。


チェーンライン調整中の図。スプロケはオフセット5ミリで合わせることにした。
クラシックな合わせ方だが、四つの目玉で何度も見ながらきっちり合わせる。




マウントボルトの位置決めはアルミ版を切って仮止めしてケガいた。
普段はすべてきちんとした計測に基づいて、計算づくで作業するN男も、現物合わせとなると、それはそれで得意なようで、ささっと計測してはボルトの位置を出して行く。
ここでもう一息ピボット位置を前にずらしてさらに少しだけ全長を詰めた。
特にハーレーに興味がないN男は自分のそういったこだわりの意味がさっぱりわからないと言う。
ボルト類も乏しい在庫をネジ箱からレゴの小さい部品を探すようにガサガサやってると
「そんなのめんどくせえからみんなタップでミリネジに変えちまったら楽なのに」ああ、N男よ、確かに気持ちはわかるさ。でもそれはやりたくないんだ my friend.

この辺りはこうやって写真で見るとサクサク決まっているようだが、それこそ鼻血が出るくらい何度も見ては合わせ、合わせては3歩下がって眺め、家に帰ってからは工場で撮った写真とアイアンスポーツの写真と見比べたり、見ている間に自分がやっている事の意味など考え始めて眠れない君になったり、そんな行為を人は「楽しんでいる状態」というのでしょうか。

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