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ついにフレーム切断の日がやってきた。
当日はN男が軽トラで迎えに来てくれた。カメラとパソコン、資料、それに工具箱と一緒にバイクを荷台に積み込んだ。
この状態で家を出たら最後、動かせるようになるまで戻って来れないんだ。
今のフレームは真っ二つ
そう思うと胸が少し痛むようなところもあった。カッコ良くなるための出発なんだけど、自分の全く個人的な、『他人には理解されない=他人にとって無価値』な状態にさせられるバイクに対して
ちょっと申し訳ないような気もした。
例えが悪いが、彼女に自分の名前を入れ墨で彫り込んだ腕を見せられたような(ま、そんな経験ねえケド)取り返しのつかなさ感ですな。
どうでもいい話だった。
さて当日の天候は晴れ!
バラした部品を仮止めして軽トラに積まれたバイクは改造の舞台となる秘密工場に到着した。
N男は自宅の庭に工場を建てており、
中には自分で組み立てた工業用クレーン、定盤、何台ものボール盤に旋盤や溶接機などが配置され、まさに男の夢を凝縮したような空間が広がっていた。
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その一隅に鉄製の定盤が用意してあり、そこがバイクの定位置になった。
ここで固定されたバイクは早速フレーム切断に必要な準備をする。
まずは固定。フレームジグはないので、タイダウンとジャッキ、材木やアングルを組み合わせてなるべくしっかり固定する。
「こういういいかげんな作業はあぶないのでやめた方がいいですよ」というようなご忠告もあるだろうが、残念でしたもう終わってしまったことなのだ。
次にリアのフレームの位置のよりどころのひとつになるチェーンラインを見るため、ベルトドライブのプーリーをチェーン用のスプロケットに交換する。
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するとN男はためらわず鉄材を切り出し、6角に組み合わせて…
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あっという間にこのようなレンチをこしらえたのだ。
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これでなんの問題もなくスプロケットへの交換は終了
次の段階に進むことになった。
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