Wednesday, March 28, 2018

大ちゃんとウィスキー

大ちゃんは無類の酒好きだ。普段はどっちかというと仏頂面で、家の電話なんかにかけようものなら、暗い地下室から聞こえるような声で「はい…」「はい…」って不機嫌なロボットみたいな相づちを打つだけで盛り上がらないことこの上ない。
ところがだ、酒飲んだらもう陽気なんだよ。そして飲み会で難しい機械の話を解説するのが大好き。
飲み会のためにわざわざ長野の自宅から大きな星形エンジンの図面を持って来るんだぜ。
それをでっかく広げて「星形エンジンのクランクはどうなってるか知ってる?」なんて話を、目をキラキラさせながら説明してくるんだ。

ラフロイグとかボウモアみたいな高いアイラのウイスキーを持って来て
尻込みするみんなにヨードチンキみたいな匂いのキツい酒を、ほぼ無理矢理に飲ませながら、アイラ島の冷たい海から吹いて来る潮風と、ピートの話をするんだ。



春と修羅と石の移動

 いろんなことがジェットコースターみたいにいっぺんにやってきて
かなりドタバタしてるけどみんな元気?
 寒かった冬がやっと終わりそうになって、また地震のあった日が来て、小さな花が咲いて、気が付いたら桜が咲いてる。

 確定申告だとか締切りだとか、人は期限を切られないとなかなか面倒くさいことに取りかからないもので、その最中にも隙を見ては関係ないことを(ブログの更新とかね)しています。ダメ野郎はみんなそうです。
申告もなんとか期限内に終わったし、車検の準備もしなきゃだし。
 ここ数年ハーレーとアメリカとアメリカ的バイクの遊び方にすっかり浸かっていたけれど、僕はもちろんバイクはカテゴリーに関わらず好き。
ハーレー好きとは言うけど、でかいハーレーのツアラーよりは国産のオフロードやカフェレーサーが好きだし、乗って楽しかったらなんでもいいのかも知れないけどね。

いつでも「バイク最高!」って言うむつお君かっこいいよ。


Tuesday, March 20, 2018

イタリアの話

何年か前にチャボエンジニアリングのブログを見ていたら、Faster Sonsでイタリア行くみたいな話が出てて、その中でイタリアの美しい風景の中を走る木村さんとヨーロッパのライダー達、そしてヤマハのスタッフが写ってた。


この映像のバイクでイタリア行くんだ確か。
http://shinyakimura.blogspot.jp/2015/10/the-spirit-of-craftsmanship.html


その中に、1930年代のイギリスの古い自転車をコレクションして再生しながら、
イタリアに住んでヨーロッパヤマハで働く大変優雅な暮らしをしている人が出てた。
BSAの自転車のパンクをみんなで直すくだりはブログ見ていてもわくわくするものだった。
ホントに素敵な森と川に囲まれて、人間の生活ってこういうことだなって。

僕ときたら、ある時は何日も徹夜しながら面白い話を書くためにコンビニ飯食って床に寝る不摂生な生活。ある時は工具やエアコンのガスボンベと一緒にシートベルトが初めから付いてないファックなハイエースの後部座席に押し込められておっさんのせっかちな運転に車酔いしながら現場仕事。またある時はジャケット着て窮屈なネクタイで満員電車に揺られて打ち合わせや会議。そして来週は自動車整備工。いろんな仕事は全部自分が生きるためにやってるしその全部のスキルを使わないと生きられない。確かに昔からいろんな仕事して今があるから何も無駄じゃないんだけどね。

話は戻るけど、木村さんが行ってた記事の欧州ヤマハのスタッフの中に知ってる顔があったんだ。BSAの素敵な自転車に乗って、犬のクワットロとダンスを踊るYマモト君とは2000年頃よく一緒に静岡の山を走ったバイク仲間。
一昨年初めてチャボに行って木村さんと話した時もその話題が出て、世界の狭さにビックリした。

彼は今イタリアのとある街で築200年の石造りのアパートメントに暮らしてる。

 かく言う僕も昔ホンダのロケでイタリアに行った時に知り合ったモデルの女の子と仲良くなって、日本に帰らず彼女とそのまま半年間ミラノのアパートに住んでたから、イタリア語はまあ不自由なく話せるし、イタリアのバイク事情にもかなり詳しいんだ。

というのは真っ赤なウソ、
しゃべれるイタリア語は
「リチェブーターペルファボーレ」(領収書ください)
ミマンキ(寂しかったよ)
ティマンケロ?(寂しかったろ?)
チェルト!(まったくね!)
あとチャオとグラッチェとボナペティートだけ。

でもイタリアってホントにすごいんだ。
ミラノの街の中にある英国車専門店(イタリアで英国車!)で3日場所貸してもらって
バイクの改造したんだけど、一緒に働いていたメカニック達は昼は2時間かけてワイン飲みながらピザつまんで、1時間酔い覚ましに昼寝して3時から夜まで仕事して、毎晩10時頃に晩飯食ってから夜中まで遊んでるんだ。
仕事はいい加減で雑と思う部分もあれば、ビックリするくらい几帳面で厳格。
もうわけわかんない。

まさにカルチャーショック!ほんとショックだった。
我々は車のなかで作った生ハムとパリパリのパンのサンドイッチをガス入りミネラルウォーターで流し込んで撮影してたって言うのに、ロケ隊と離れて工場にいたこの3日間はホント何もかも夢みたいだった。

もちろん今だってハーレーもアメリカも大好きだけど、
世界は広いし、カッコいいものや、すごいことってひとつじゃないんだって話。
これからしばらくイタリアの話が続くかも知れない。
では!CIAO CIAO!





Tuesday, March 13, 2018

ナツの話

Facebookに書いたんだけど、ちょっと強烈と言うか強過ぎるという話を何人かの友達から言われて、確かにタイムラインに表示させて無理矢理読んでもらう話題じゃなかったなと思ってこちらに転載します。

地震の翌年の3月12日。僕は広島のバイクショーの帰り、夜行バスの中でナツの最期を知りました。初めて行った広島でしたが、ウエストジャパンの会場ではほとんど何も売れず、やっと売れた3800円のカバーで5000円もおつりをごまかされて、これはこういう会場の販売に慣れてなかった僕がわるかったんだけど。
飲み会では生ビール2杯で1万円近いひどい割り勘で、これも僕が飲めないのが原因だったけど。
ともかくいろいろとぐったりな旅のとどめがこれかよっていうナツの死。
 今まで14年一緒に暮らして仕事にも遊びにもいつも一緒だったから先に行くならひとこと言ってくれたらいいのに。
僕は鋳物もバイクも酔っぱらいも何もかもがイヤになって、冷たく固くなったナツを抱いて泣きました。
出かける前のバタバタで、寝ているナツに行って来ますって言わなかったのが今もすごく悔やまれる。
でも、ナツの死は今の自分に大事なものとそうでもないものをナツが身をもって教えてくれたのだと思います。
 短い人生の中で特にいらないものや、関わっても消耗するものとは距離を置いて、やりたいこと、出来ることを必死にやった方がいいよってこと。
ナツ、僕はとりあえず元気でやっているよ。








Sunday, March 11, 2018

買うより作る方は安くも早くもない。

大量生産ってすごいんだ。
同じものを作っても
ひとつあたりのコストは少なくなるし品質も一定。
ワンオフでまるで売ってる品物みたいにきれいに作ろうとすると
手間も時間もけっこうかかるよ。

僕は市販されてるものなら絶対作るより買った方がいいと思う。
売られてないとか手に入らないなら作る。
あるいは希少過ぎて高い割にたいしたことない部品なら作る。
それでも一個だけ作るって結構コストがかかる。
という話。




Friday, March 9, 2018

例えばの話と、ダメだと思った時どうしたらいいかの教訓的話題。

これはすべて例えばの話です。
例えば、あなたがフリーランスだったとして、例えばレギュラーの仕事があったら、特に何も連絡がない限り次回もその仕事が続くと思うだろ?世の中は往々にしてそうでもないんだ、それはまあ仕方ないと思うんだけどちょっとキツいのは当月の1週間前に「今回はいらない」って突然言われたりする。
もしそんな目に遭ったけどどうしようって相談されたら、僕ならそういうあまりにも自分勝手な人達とはもう付き合わない方がいいよってアドバイスするだろう。

あくまでも例えばの話なんだけどさ。

例えばの話、輸入したオートバイのレース専用車に保安部品を付けて登録したいとする。
ライトやウィンカーのための配線を全部始めからやる時に、その線を全部黄色で作ったとしたら、路上や山でトラブルが起きた時相当キツいことになる。そんなの小学生でもわかるだろ?
配線にいろんな色があるのは色でその役割がわかるようにしてあるんだ。
幸い山じゃなかったけど、ガレージでシート外してみて、配線が全部黄色だったのがわかった時の新しいオーナー、ガミちゃんと僕の落胆ぶりは想像出来るだろ?
まったく「センスねえなあ!」としか言えないひどい仕事だ。
どうして全部黄色なのか?目印も何もあったもんじゃない。配線を作ったのは絵を描くのが趣味の人だったが、頭の中が真っ黄色だったのかな?

ガミちゃんはとても腕がいいメカニックで、普段は大胆かつ繊細で丁寧な仕事をするんだけど、この全部黄色い配線だけは見てるだけで気分が悪くなってくるし、こんなの触りたくもない!っていうから、僕がガミちゃんのガレージの壁にロールで下げられたいろんな色の配線を使って新しいの作ったんじゃなかったっけ?

今日の教訓は、自分がダメと思ったらもう関わらないというのもひとつの見識であるという話。
またね!


どこかがマヒしてるのとフレーム作りたい気持ち

 誰かが新しく手に入れたちょっと珍しいバイクをみんながすごいすごい!って言ってるの聞いて「何言ってるんだこいつら、そんなのただ金出して買っただけだろ?」って一度思ってから、そうじゃない、普通に乗り物はお金出して買うものなんだって思い出して、ついでに自分がかなりおかしくなってるのにも気づきました。お元気ですか?

 今はホットバイクの記事を書いてるんだけど、始めはコピー機とか使ってやろうと思ってたことをわざわざトレーシングペーパーに黒い鉛筆の粉を使って転写することにして
密かに盛り上がってる。そういうのが好きな人にもいい情報だろうし、実際コンビニまでコピー行くくらいだったら夜に楽しくトレースした方が楽しいじゃん。
で、ガスケットの代わりに牛乳パックでやろうと思ってさすがにこれはやり過ぎかと気がついた。「手段と目的」ってやつである。別にガスケット紙がもったいなくて言ってるんじゃないんだ。手作業で作ったものがちゃんとしたガスケットならこれは素敵なことだけど、それが牛乳パックの切れ端じゃみんな納得しないだろ?
ちなみに個人的には油圧もガソリンもかからないジェネレータカバーくらいなら牛乳パックでも行けるとは思うんだけどね。
ま、それでは見た目にも盛り上がらないのでガスケット紙でやりますよ。
じゃまたね!
タル型よりモトクロス用が使いやすいのは間違いないけど
タル型も嫌いじゃないんだ。
で、気が付くと鉄板を折り曲げたような
トライアンフに使うレバーを買いそうになってる。
ホント気をつけなきゃねどんどんそちら方向に流れちゃうんだ。



 

Thursday, March 1, 2018

3月になっちゃった。

気が付けばもう3月。

FTRを手に入れて練習を始めてからちょうど3ヶ月が過ぎた。
練習は半日の朝練を含めてちょうど10回。
だんだんバイクに慣れてきたと同時に、
バイクもあちこちを自分好みに変更してたら
だんだん乗りやすいバイクになってきたよ。

ハンドルは思いっきり鬼ハンみたいに前傾してたノーマルを普通の位置に戻す。
さらに両端を少し下げたくて単管パイプを差し込んで延長して両端の位置を下げた。
クラッチレバーはWR250Fに交換。
スロットルはキタコのハイスロットル
グリップはタル型 ProGrip
フォークはシールとオイルを新品にオーバーホール
ボトムケース黒塗装
四角いゼッケンをフロントと右に。
フロントゼッケンはズースファスナー。
配線はエンジン始動に必要なもの以外を取り外し。
キーシリンダーをホンダ純正の何かに変えてシート下に移設。
シートフレームはリア側を3センチ下げて水平方向に。
タンクのマウントを溶接してXEのタンクを取り付け。
エイプ50のシートに交換。
パキパキのシート表皮を新品に交換。
フロントフェンダーを外してリアに移動。
左ステップを高く後ろに移動。
左ステップ周りのフレームをカット。
WR250Fのリアホイールassy交換でリアディスク化
フロントはFTR250の19インチに交換
前後K180に交換。
ハイカムに交換。
キャブをフラットスライドに交換。
コイルとハイテンションコードは純正新品に交換。
K&Nパワーフィルターは元から付いてたから掃除して懐かしのK&Nフィルターオイルをスプレー。
排気はスラッシュカットのドラッグパイプを切って曲げパイプを入れてメガホンマフラーに交換。
車重はざっと23キロ軽くなった。
バイクのチューニングって一カ所やったら全てが爆発的に変わるなんて部品はまずない。
ボアアップとかそういうのは効くけどさ。
部品ひとつでそうなるんだったら、メーカーもみんなそれを使うよね。
僕にとってのチューニングって電話帳や辞書みたいなものなんだ。
1枚の紙は薄くて一見意味がないように見えるけどバラバラな全部が集まって意味のあるものになるし、プラグ、エアクリーナー、ハイテンションコード、オイルもカムもキャブも排気も全部やるとエンジンは別物になる。
これひとつ!あとはいらないなんて夢みたいな部品はないぜ。
ただ組んでもダメでセッティングが必要な部品もある。
こういうのが好きじゃないとチューニングは向かないかも。
今回ちょっと流行ってるブリスクプラグも買ってみたんだ。
値段は一個2000円以上する。賛否のある部品らしいけど使ってみなきゃわからない。
僕はあまりガンスパーク的オカルトものは信用してないけど
それでもいいと言われるものは試してみたいし、やっぱり速くて調子のいいバイクに乗りたいんだ。
ホント今ノーマルのFTRの人が乗ったらビックリすると思う。
いやマジで速いんだって。「FTRにしては」って条件付きだけど。
でもリアサスはグネグネだし、まだまだ良くなるはず。