Tuesday, October 11, 2016
戦略とシミュレーション
戦略とシミュレーションの反対語は何だと思う?
小説家によればそれは突撃と玉砕だと言う。
前に、村上春樹が人生相談をするサイトで、女子大生から「好きな人にいきなり告白しようかどうか迷っている」の質問に、「じかに告白」というのは賢いやりかたではありません、上級者ほど告白前に上手に探りを入れて反応を見ながら作戦を立てるのです。
なんていうことを答えてた。
「恋愛というのは、ある意味では戦争と同じです。戦略とシミュレーションが大事です。突撃と玉砕だけでは勝てません。よく考えて行動してください」
改造も戦略とシミュレーションがないとなかなかうまくいかない。
突撃と玉砕で出来ない事もないが、やっぱり時間も労力もモチベーションもすごく必要だし、無駄な作業が多いとお金だってたくさん余計にかかる。 ああ、それなのに僕は、鉄で出来たタンクに「じかにFRPで告白しようと」している。
「試しに作ってみて気に入らなかったら作り直し」僕はそういう非効率的な方法を取る事が多かった、それは認めよう。
でも僕は、自分の手で作るんだしやり直しだって自分でやるんだから効率なんて企業みたいな事を考えるなら自作する意味なんかないだろ?って思ってた。
でも、全部のプロセスを自分だけで出来る訳じゃないから、誰かに作業を手伝ってもらったり、お願いしたものがイメージと違うからってやり直しをさせることが簡単に出来るか?という問題が出て来る。
そりゃ、相手が奴隷みたいな関係なら「オマエのせいだ、イメージ通りになるまで何度でもやり直ししろ!」って感じに言えるのか知れないが、
なんと言っても多忙なプロフェッショナルに時間を割いてもらってやってるわけだし、
作業を始める前に自分のイメージがきちん決まっていたら、それを十分に伝えることができるなら、そういう無駄な(本当に無駄だ)ことにはならない。
「頼む側の伝達力の不足」というのは自分のイメージ不足であり、イメージを言葉や絵や図で伝達する能力の不足でもある。
僕は仕事のときは「なんか違うんだよねえ…」っていって何回もやり直しをさせる監督やプロデューサーを軽蔑する。仮にも演出のプロある彼らが、何が違うかわからないけど気に入らない、なんて言うのは自分の表現と伝達の限界がここです、って言ってるのと同じだからだ。
電通みたいな広告代理店のクリエイティブディレクターなんてそんなヤツが
結構いる。
もちろ仕事だから相手の意図を組むためにいろいろ話し合ったりするが、とりあえずもう一回やってみて!みたいなことになる場合も多い。
やってもやっぱり気に入らない。
それこそ突撃と玉砕の繰り返しだし、時間とお金の無駄である。
本当に素人と仕事してるみたいで情けない気分になる。
僕はバイク作りに関しては素人だけど、お願いする相手がプロなんだから、最低限の礼儀として敬意を持って仕事してもらって、なるべく少なく、できれば一発で決めてもらいたい。
と言う訳で今日もPhotoshopだのマンガだの描いて、自分で簡単に作ってみて、イメージを固めるのである。
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