Monday, December 24, 2018

脇腹の骨をゴリゴリ言わせながらバイクの部品を作った話

前回の続き
肋骨が折れてるのはわかった。
しかしブレーキやその他いろいろやらなきゃいけないことだらけの
犬HAVEFUN!!号
この日はビデオを撮る予定もあったんだけど、シェイキン清水さんが撮影してくれた。
あとは自分で出来るだけ撮って大人しく座ってた。
帰ったらバイク作って夜中音出せない時間になったらビデオ編集。
だいたい痛くて寝られないので編集するしかないのである。



こんなのや、


こんなビデオを作って告知に励んだ。

やっぱりホットロッドショーまで来た人には見てもらいたいからね。

最後まで発見できなかったり、会えない事ってけっこうあるから。バイクとブースだけでも見てもらいたいじゃん。

翌朝から朝起きたらボルタレンの座薬を一発カマして事務仕事して、薬が効いて来たら
作業開始!ボルタレンはかなり強力な痛み止めなので良い子は自分の判断で使っちゃダメだよ。
しかしボルタレンも万能ではない、手を伸ばして高いところのものを取ったり
しゃがむ事は肋骨の関係で出来ない。足も強打したらしく左ヒザを曲げるのもかなり厳しいが、黙々と作業する。数日前までターチーのところで好きなだけコンタを使わせてもらったけど、今日からは連続ドリルで12ミリのアルミ板を切断する。その板を使って右ステップのベースとブレーキペダル、ブレーキマスターシリンダーを取り付ける。
位置関係はなかなかシビアで、レバーの比率でブレーキの効き味やストロークを決めることが出来る。裏を返せばテキトーに作ったらまったくコントロールしにくいブレーキになってしまう。
ホットバイク時代、いろんなお店のカスタムバイクに乗ったけど、ブレーキのマスターシリンダーとキャリパーの径をきっちり合わせてるお店って意外なくらい少ない。
レバーを引いてもスカスカだったり、反対にマスターの径がでかすぎて、思いっきりかけてもカチカチでコントローラブルじゃなかったり。
もちろん見た目優先でつくってるから確信を持ってやってるんだろうけどさ。
僕はと言えば今回は手持ちのGMEかなんかのチョッパーパーツのマスターにアマゾンで2000円で手に入れたマスターとタンク一体型のマスターシリンダ。
フラットトラックなので前ブレーキはない。ペダルの位置関係やテコの視点から作用点までの長さは犬号のブレーキを何個も作った経験からだいたいわかるので
一発で決める。でも一応いろんなことに対応できるように、ペダルのステーにはステップの位置やブレーキのシャフトの位置が変えられるようにスペアの穴をあける。
そしてあまりに分厚い9ミリの板なので、とにかくドリルド。
貧乏人の軽量化スタイルはドリルド!これ結構好きなのである。

シートはいつもの野口シートをお願いして、試乗前日に届けてもらってあった。
いつも野口シートにお願いできるなんて最高の贅沢なんだけど、今回は特にレーサーってことで、シートに野口タグを付けてもらった。何度も言ってるけど、実はこのロゴは僕がデザインしたヤツなんだ。自分のデザインが世界中のワークスマシンや旅バイクに付いてて世界で活躍してると思うとなんとも嬉しい。
そして今回も担当の足立さんと詳細な打ち合わせをして、ステッチの位置などの偏執狂的なマンガを描いたり、写真を送ってイメージをシェアする。これがイメージ通りのものを作ってもらうための最も大切なプロセスだと言ってもいいだろう。

ステーはこれから作る。固定は僕が大好きなズースファスナーで。
このファスナーがあればシートは一瞬で外れて、クラッシュしてもシートがもげたり(多分)しない。
この辺の作業は手がどんどん動くので痛みさえ我慢すればなんとなる。
辛いのは地面に近いキャリパーサポートやステップ周りの取り付け、これは痛かった。
バイクを地面に寝かせたり、いろんな汚い手を使って少しでも楽な姿勢で作業できるようにする。しかしボルタレンとは言え脇腹の骨がゴリゴリってなるとかなり痛くて、もうこんなのは二度とゴメンだ。骨折したらじっと寝ていなきゃダメなんである。
胴体にはこれまたボルタレンの湿布を貼ってアメリカで買った腰痛コルセットとモトクロスのウエストベルトをぐるぐる巻きにしてひたすら耐える、耐えるしかないのである。
手を動かしていると気が紛れるし、夢中でやってると全然お腹もすかないし、喉も乾かない。何も飲み食いしないと良くないから時々お茶やコーヒーは飲むけど、座ってると痛くなるからなるべく動いていたい。
僕はホットロッド製作時期はけっこう体重も減っちゃうのである。

深夜になったらヘルメットにアメリカのポルノグラフィティから写真を切り取っては丁寧に貼る。貼って雰囲気を見ながらまた切って貼る。こんな変態的な作業を外が明るくなるまでやる。もちろんもっと計画的にやればこんな仕打ちはないんだけど、ヘルメットのカラーもずっと悩んでたからね。決まれば手が動いて出来るんだけどさ。



角パイプからこうやって切り出して

こんなステーになる

こうやって使うのである。


スイングアームはアスクモーターサイクル山本さんの全面協力のもと
切って幅詰めて長さをうんと短くして
モノサスの取り付けを切って捨てて新しく補強を作って

こんなアダプタはチーターの旋盤でひとつは教えてもらいながら、
2個目は忘れないうちに自分で



本当に歯を食いしばって何かするとか苦手なんだけど
今回ばかりは自分がヘマをしたためにこんな事になってしまったのである。
でもだんだんバイクとしての体裁が整ってちょっと変わった
トーハツランペットのタンクもいい感じになって来たような気がしない?










これはフライスを使わせてもらってるとこ。
当日ホットロッドショーの会場で

チーターさんにバイク作ってもらっていいですね!なんて
何人かに言われて、なんで?って聞いたらもっぱらそういう噂になってますよって。
まあだいたいの人はそう思うだろうけど、
チーターの名誉のために言えば彼はこんな汚いバイクは作らねえよ。




やつの図面はCADなんである。
僕のはこれ。




搬入当日の朝まで作業して最後の作業はタンクのエンブレムを作った。
アルミの板から切り出した三角の板にINUって彫って
ヘルメットもなんだかピンクのようなオレンジなような
これが今回の僕の仕事である。
あちこち痛かったけど、もっとやりたいこともあったけど
きっとどこも痛くなくても同じような出来映えだったと思う。
残念ながら完成度はまだまだだけど
形の好みで言えばHAVE FUN!!の中では一番好き。
ま、これは全員自分のが一番好きなんだろうけどね。

ということで現在キャブのセッティングや電気の配線の更新、
各部の調整などしながら楽しんでるよ。

そしてちょっと告知
来年1月5日か6日
どっちか、多分5日か。
川越のオフロードビレッジでフラットトラックやるよ!

なるべく初心者の人も楽しめるような感じで
なにか大げさなイベント主催とかじゃないんだけど体験してみたい人も歓迎します。
天気がいいといいな。





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