Monday, December 14, 2020

アイアンスポーツのクラッチを調整する


 
このXLXが初めて来た時のこと。外装やキャブやブレーキを付けてエンジンをかかるようにして、普通にクラッチレバーの遊びを調整して走り出すと、クラッチが滑ってる感じで車体が前に進まない。ワイヤーを調整すると今度は全くクラッチが切れない。クラッチが切れないか繋がらないかの2択。
クラッチが切れないというのはレバーを握ってガチャン!とローに入れたらクラッチレバーを目いっぱい握っていてもズルズル走り出す感じ。
 
本来バイクのギアはチャキッっと入るように出来ているので、ガチャン!となるのは絶対よくないのだ。
 
これは何らかの調整か修理が必要だろうな、と思ってはいたのである。
 
 
今回とりあえず車検くらいは通りそうな感じだったから、ナンバー取って近所で乗ってみたけど、やっぱりものすごく乗りにくい。
疑り深い上に知りたがりの僕はこういう時はとりあえず気になる場所を開けてみるのである。
 
ちなみにこうやってどこにどのボルトがあるかボール紙にマンガを描いて突き刺しておくと
はじめと同じところに入れられるよ。
 

 
でも、このXLXみたいに自分が初めて開けるバイクの時は、
最後にボルトを締める前に全部のボルトを入れてみて、どこか極端に長いのや短いのがないかを見比べたり、ケース側のねじ穴の深さを竹串で測って
これで間違いないか納得してから最終的にボルトを締めるのである。
 
もちろん過去に誰かが同じところを整備しただろうし、その時間違えられてるかもしれないし、
なにしろ僕は疑り深いからね。 

硬いバネを自作簡易コンプレッサーで押し縮めながらはずすと
   なにかがおかしい
クラッチハブスペーサーがグニョって
 
グニョっていうよりグニ? 
これはもう暴力的にねじ曲げられている。フランジみたいにボコッと膨らんでるのは
ナットを締めすぎて強力に押し縮められた結果だ。 

 
 
錆やクラッチのカスが放射状にこびりついてるがプレートそのものは反りや変形はないようなので、きれいに洗ってから、フリクションプレートとの当たり面もチェックする。
 
潰れていない新品のハブスペーサーを組み付けて組み立てる。
 
結果から言うとここに使われていたクラッチのフリクションプレートは全部新品に交換することになった。
 
はじめは3種類あるうちの一番短いハブスペーサーを使ってみたのだけど
マニュアル指定の隙間が少し狭くて、結局ノーマルの長さのスペーサーを買い直して組み付けた。
アイアンのスプリングはとても強いし、世の中にはちゃんとした道具があるので、
それを使うのを強くお勧めするけど
どうしてもやらなきゃいけない時はなるべくスタッドのネジ山に負担がかからないように
こうやってスプリングを押し縮めて上下4本のナットを素早く締めてやれば
専用工具のクラッチスプリングコンプレッサーなしでもなんとかなる。
はじめに4本対角線のでナットが入れば、あとは全てのナットを均等に締めて完了。
 
結局全部で3回ここを開けてやっといい感じになってきた。
 
現在はレバーの全ストロークよりクラッチ側の作動量の方が少し長い感じ。
クラッチが気持ちよく切れてギアがスムーズに入るようにするとワイヤーの遊びがなくなり、
ワイヤーに遊びを持たせるとクラッチの切れがいまいち。
中間の長さのハブスペーサーがいいのかもしれない。
 
 
XLX61のクラッチワイヤー調整
 
クラッチワイヤー調整は、最初にプライマリカバーにワイヤ調整のナットを緩めてから、ボルト部分を目一杯締め込んでレバー側がぶらぶらになるまで遊ばせる。
点検窓を開けて、ロックナットを緩めたらマイナスネジを(僕は)一度緩めてやってから締めていく。これバラして仕組みを見たらわかるんだけど、締めて行くと最後マイナスネジが突き当たる。突き当たりがわからない人は一度ちゃんと緩めて、ねじがスムーズに回ることを確認してから締めてやると、必ず最後に突き当たり感があるはず。
 そこから1/4緩め方向に回してから、ロックナットを締める。
その後プライマリカバーのアジャストボルトでレバー側を調整する。 

あまり切れを優先するとパワーをかけたときクラッチがすぐ滑り出すし、
切れが悪いまま蹴飛ばすみたいにガチャン!ってギアをいれてたら必ずトラブルの元になるので 、どうにもならない時はアイアンスポーツのノウハウがあって腕のいいバイク屋さんで見てもらってください。
僕はそういう友達にアドバイスをもらって作業したららすごく調子良くなりました。
 
 
半ば路上のような僕の作業場。




 
ここは いろんな乱暴なやり方で蹂躙されているのがおおいけど、僕はぴったりな厚みの
アルミの板を使って開け閉めしています。
こっちのプライマリーチェンの
点検蓋はけっこうやられてる。
なにしろもう37年前のバイクだし、その頃今の僕と同じ歳だった人が生きてれば
91歳!
1983年モデルなんて新しいようだけど、人間が楽しくバイクに乗れる時期なんてあっという間の一瞬なのである。
このバイクも何人かのオーナーが入れ替わっているはずだから、
大事に乗ってやりたいものである。

 

No comments:

Post a Comment