パンヘッドとかナックルヘッドに乗ってる人はもちろん、アイアンやショベルに乗ってる人も、旧車方面が好きな人なら、古いほど偉くてカッコいいって感覚は、多少なりとも持ってる。
かと言ってこの先、皆さんの趣向がもっともっと先祖帰りして、ナックルよりJDが、それより自転車みたいな1910‘sがカッコいい!とはなるかどうかはまだわからないが。
それでもエボスポーツはそういう旧車ヒエラルキーの世界にあっては最下層に位置するバイクなのである。
かっこいいチョッパーの集まりで出会った僕に「何にお乗りですか?」と聞く君も、僕が「エボスポーツです!」って答えると急速に興味を失って、地面に落っことした半溶けのアイスを眺めるみたいな目で「ああそうですか」なんてテキトーに答えてるだろ?
別にひがみ根性でこんなこと言ってるじゃないよ。
やっぱり古いものが好きでカッコいいと感じてる人が大金払って旧車のバイクに乗るんだから、古いほどカッコいい、古くないお前のはどうでもいい。という反応はごく当たり前の事だと思う。
4カムの配置でアイアン時代と同じレイアウトでエンジンのスタイルもかなりいい部類だけど、やっぱりエボスポーツは旧車的な魅力は薄い。
ま、旧車じゃないカテゴリーで、走りに振った改造で倒立サス付けたり国産やブレンボのブレーキ付けるような人達はエボスポーツであることに何も引け目を感じてないんだけどさ。
ちょっと話変わるけど、自分のバイクを紹介する時に「金(かね)かかってるんですよ!」って言う人いるよね。
ホイールが57万円かかってて、シートに23万円かかって、ワンオフのチタンマフラーが85万円で…なんて金額言われても、僕はお金かけるカテゴリーがあるとしたらその最下層だし、
そもそもいくらお金かけたからすごいって感覚が全然ないからさ。
何か大金をかけるプレイか刑罰なのかなって思うだけ。
そして僕も地面に落ちた半溶けのアイスを見る目で、その大金をかけて作ってもらったバイクを眺めてしまうのである。
それと全然別で、バイクに手がかかってるのはすごいと思う。
手が込んでてあまりカッコ良くないのもあるけど、
カッコいい悪いは個人の感想だから他人の評価はどうでもよくて、気になる部分、やりたい部分をひたすら改造していると手のかかったバイクになっていく。
35ナローに鉄アウター
こっちは39フォーク
これが去年のホットロッドショーに出した仕様
僕は普通なシルエットで普通にカッコいいのが好きで、
自分のバイクで普通じゃないところがたくさんあるエボスポーツを少しでも普通にしようとして
ネックいじったりリアフレーム交換したり、どんどん普通じゃない事しててこんなになっちゃった。
エンジンだってさ、僕にとってはまるでカッコ良くないエボスポーツのエンジンをなんとか少しでも見られるようにと思って
シリンダーとヘッドのフィンを丸く削ったりしてみたけど
エボエンジンのカッコ良さの限界はこの辺なのか。
EMDのロッカーカバーも機能は関係ないただのカバーだし、
でも僕のフィン削りだって機能を落とすただの手遊びだからな。
個体としての犬号は
まだ大きなトラブルに見舞われたこともないし、いつでも結構簡単にエンジンがかかるし、
だいたいこのバイクが好きで手に入れたんだ。
エンジンは外観よりチューンナップで速くするって手があるし、エンジンって外観より調子が大事だと思って造形に関する不満を封じ込めるようにしている。
犬号がもっとカッコ良くなるためには
これからはコツコツと汚い溶接の部品をきれいなものに換えたり、
左右非対称でダメなハードテールを作り直したり、
シルエットはそのままに、各部のディテールを高める推敲みたいな作業をこつこつ詰めて行くしかない。
実のところ溶接が少々汚くても僕自身は全然気にならない。
強度がないとか、ちゃんと走らないのは困るけどさ。
そしてやっぱり古いバイクが好きだから、もっと古いエンジンで一台作ってみたい。
ナックルヘッドとは言わないけど、やっぱりバイクを語る上でエンジンの造形ってすごく重要なファクターだし。
軽く見てもいいですよ。
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