Monday, September 28, 2015

自作派のみなさんへ そりゃいい環境で作業した方がいいに決まってる。

ハロー自作派のみなさん。

設備の整った工場で作業するのと
汚い上にすぐ物がなくなって、ややもすると隣人が文句を言いに、あるいはお昼のマクドナルドを買いにドスドス階段を下りてくるとサッと身を(手に持っている工具を)隠さなくていけないような犬小屋で作業するのでは
作業進行の速度がビックリするくらい違う。
犬の心霊写真ではないよ


機械加工で削った部品はクリーンなTIG溶接で仕上げたら
あとは表面処理で行けるが

黒皮の付いた鉄の板を金ノコやサンダーで切って
煙がもうもうと出るフラックスワイヤーの溶接機で溶接して
最後にサンダーで削ってきれいにすると
少なくとも5倍(当社比)で違う。
計測とかケガキだって物差しで測ってマジックで線を書くだけと思うだろうけど
これは相当にうまいヘタがあるんだぜ。

以前モタモタとなかなか完成しないバイクの作業をしていた僕を見かねた人が
「あなたの作りかけのバイクだが、私なら2日で仕上げる」って言ってくれたが
犬小屋作業ではそれは無理。
やるって言ってもそんなもったいないことやらせなかったけどね。

結局僕もその後8ヶ月くらいかかっちゃったんだけど。



先日「舟を編む」という映画を観た。

これは辞書を作る人たちの話。
彼らはパソコンも無く(最後のところでは使っていたが)
カードに手書きで書いた単語カードを何万枚も作って、それを使って辞典を作るんだ。

僕の父は専門書を出版する出版社で専門的な用語辞典の編集に携わっていたのだが、
ある時「新しい辞典を作ると、必ず担当者がノイローゼ(昔は鬱病もなにもまとめてそう言われてた)になるって言われているが、俺は今年から辞典を作る仕事になる」って教えてくれたことがある。その時はおいおい大丈夫かよ…って思ったが、
基本的に不謹慎な冗談と不真面目なことが大好きな父は何年もかけて
真面目に辞書を完成させながらも頭がおかしくなることはなかった。

何年か後、その大きな辞典を神田の書店で探して、奥付に父親の名前を発見した時にはなんだか誇らしい気持ちになった。

さて、僕も作業中はけっこう真面目である。ともすれば思い詰めたり悩んだり、手に入らない環境に腹を立てたくなることがあるが、そんな時は
ま、仕方ねえから今は出来ることだけやってあとはまた考えよう!って
出来ることをやってビール飲んで友達とエロ話して寝ちゃう。


環境を作り出せるのも実力のうち。
僕は実力がない分
手をゴシゴシ動かすのである。
もちろん作業は一生懸命やるけど、機械や技術の関係で今出来ないことを思い悩んでも仕方ないし、
きれいな加工や溶接機の存在を知ってはいても自分でできる訳じゃないんだから
ともかくゴシゴシやろうじゃないか。
ヤスリってきちんと計測しながらやればけっこう正確なものが作れるし、
かなり楽しいよ。

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