量産計画は宙に浮いたままの鋳物です。
まあ有り体に言えば資金難。
前にも言ったけどたくさん作ってたくさん在庫するほど売れない。
でもみなさんが注文をくれて、
その注文は確実に溜まって来てしまう。
やらない訳に行かないんです。
ラーメン食べてても、バイク乗ってても
なんだか黒い雲みたいに立ちこめる「鋳物」の文字
だったらやればいいだろうと貴方は言うだろう。
そう、僕は鋳物スランプだった。
どうやってもうまく行かない。
炭火は弱く、
アルミはドロドロで上手く溶けず、
流し込んでも巣穴どころか隙間だらけ
まさにこんな感じに鋳肌はきれいに出来てるのに
もうカスカスに抜けたようなのばっかり。
牛の鈴の成功率は2割以下…
ひとつひとつの型を手で削って作る消失型だから
この恐ろしく低い成功率は痛い。
もう泣きたくなるくらい失敗して、
鋳物がいやになりかかってた。
炭を変えてみたけど
これもあまり芳しくなかった。
黒鉛の坩堝を買った。
これは大いに役立つはずだ。
そして鋳物友達になった雨さんから教わった
圧迫鋳造法によって
なんとか成功!
なんだろうこの嬉しさは。
真ん中で割って中をきれいにくりぬいてまたくっ付けてるから
パーティングラインが少し盛り上げてある。
おいおい、もう一個もあっさり成功してるじゃないか
あああ泣く程嬉しい
これからこれを半分の重さまで削るとしてもだ。
かわいいじゃないか。
こちらも長らくお待たせして本当にすみませんでした。
また火傷しちゃった。
もう毎回鋳物を売るのはやめようかと思う。
時給計算したら1万円だって作りたくない。
でも僕が作るあちこちボコボコしてる鋳物を
誰かが欲しいと思ってくれるからまた作りたくなる。
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