Sunday, July 22, 2018

イタリアの旅自転車編 その7



一夜が明けてまた朝が来た。今日は土曜日なので山本君の会社はお休み、
また朝食前から集まっていろんな準備。そして準備をしながら自転車の話やバイクの話、友達の近況とかいろんな話をするのが楽しいんだ。


写真は僕が借りる自転車。サドルの高さを合わせて、ペダルのトゥークリップの金具を外した。ホントは上り坂とか、踏み下ろしながら反対側の足で気持ち引き上げる時にや足の位置が決まりやすくて便利なんだけど、ちょっと僕の靴のサイズに合わないんだ。
とてもいい雰囲気だけど、これが80年前の自転車とはちょっと信じられない。


山本ガレージの作業台に置かれた部品達。こういう細かい針金に毛のはえたくらいの鉄棒をきれいに曲げてあると、一気に製品らしくなる。
アルミの板が台形にきれいに折り曲げてあって、そこに刻印が打ってある。
みんな手作業+αくらいの作業なんだろうけど、
神経の行き届いた気持ちいい感じ。
バイク作りのネタはいろんなところに転がっている。
我々がここで何をしているかと言えば、昨日作ったばかりのベルトを
古いバッグになじませる加工の真っ最中。
写真下、左が出来立て、右が加工後。

ヤレ加工じゃないんだ
日本から持って来た金属のライトステーも同じようになじませてある


ここに、なじませ加工に関する考え方が書いてあります。

こういうガサガサの裏革に、ワックス分がある靴墨を塗って、

ドライバーの柄みたいな硬くて丸いもので根気よく擦ると




コバも裏面も、しっとりツヤを帯びた革になる。コンテスト的色彩もある大会なので、細部にも出来立て感のない、新品ではないけどよく手入れされている雰囲気が出るように工夫するのである。



出かける準備は万端、
その前に朝ご飯をいただく。
もちろん自転車は室内へ、どんなに平和でもここはイタリア、油断は禁物なのである。

犬のブーピーが我々を歓迎してくれる。


メニューは宿の主人であるマヌエラお手製の歯が痛くなるくらい甘いタルトやフルーツ。

最初はたじたじとなったけど、僕はあっという間に慣れて甘くないコーヒと一緒に食べてエネルギーを補充するのである。」
でもホントに甘いんだから。
家具調度、置物に至るまで、女主人の趣味とセンスで埋め尽くされた宿なんだけど、


まるで撮影のセットみたいに物が配置してあるんだ。



写真はまたガレージ
こういうテールランプもいい感じでしょう?
ダイナモで光らせるタイプもあるんだ。




へッドランプいろいろ。
アセチレンランプから、ろうそくタイプ、もちろん電気のもある。
電気は電池式で、ダイナモも使えるハイブリッドもある。今から考えたらかなりハイテクだよね。形もバイクに使ってもいいようなシンプルできれいなもの。

家族旅行中に見つけたフレームだけのボロくなった子供用を手に入れて、帰ってからコツコツ再生した自転車。
彼はいろんな自転車を持っているけど、金にものをいわせて完成車を買い漁っているわけじゃない。ホントにコツコツ適価で買い集めた部品を組み合わせて自転車を再生している。僕に言わせれば、私費を投じて失われ行く古い自転車を蘇らせる、自転車愛護協会って感じだ。



折の感じやステーの補強のこういう感じ素敵じゃない?





僕の中ではずっと若者だと思っていた山本君だが、いつしか歳を重ねて顔に年輪が出ている。つまりこれが男の顔ってやつだ


こういう感じにクルッてまるめてある針金、僕は帰ってからすぐにこのやり方をいただいてブレーキワイヤーのガイドを作ったよ。









彼の部屋は窓から川が見える





オススメの本を教えてもらったりして、午前が楽しく過ぎて行く。
この本の名言を一言
「ハーブはフレッシュに限る。ドライハーブだったら使わない方がマシ」
by落合 務

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