今日は我々のサイクリングとピクニック風景を少々。
日本から修理して持って行ったランプを取り付けた。
当時のランプはこういうカーバイトかロウソクが主流で、
どちらも自転車の振動を伝えないようにサスペンションが付いている。
自分自身も明日フランスに向かうっていうCheetahがロウ付けしてくれて、
さあ、食事でもってタイミングで財布を忘れた僕に食事までごちそうしてくれた。
普段は直接言わねえけど感謝してる、ありがとう!
我らが山本君。
欧州の二輪メーカーに日本のメーカーから転職してバイクの開発に携わる。
後日彼がプロジェクトリーダーとして関わったXSRに乗せてもらったんだけど、
新品の時が美しさのピークで、後はどんどん傷ついて色褪せてボロくなるだけの最近の工業製品と一線を画す、歳月を重ねることでバイクを愛せるような素材選びや仕上げの方法に僕はとても感動した。
その話はまた今度ね。
足で漕いで空を飛ぶ人力飛行機のパイロットだったこともある。
そう、自分の脚力だけで空を飛んだことのある数少ない人類のひとり。
今の猛暑に比べたらそれは天国みたいな涼しさで
川面を渡る風が気持ちよかった。
これも4月の作戦会議で託されたバッグ。
これによく合う革を探して買うところまでは出来てたんだけど、
実際の作業はイタリアに来てからになっちゃった。
でもこういうのってすごく楽しい。鞄の部品を持って浅草橋まで行って
革を選んだりさ。
こちらは野口社長、僕は社長ちゃんって呼んでる。
シートや椅子の張り替え工場を営む実家の片隅で自分達が海外ラリーに出るためのシートを作っていたのはもう25年以上前のこと。ガレージブランド的にスタートしたバイクシート部門は、今ではHRCのワークスチームやBAJA1000、X-Gameのチャンピオンのシートも作る一流ブランドになった。
ガレージブランドからのスタートって夢があるよね。
あのパタゴニアだって岩登りの道具を作る小さい鍛冶屋から今のブランドになったんだ。
とは言え我々はいつも主に下らない話をして笑っている。
川に突き出した桟橋で昼ご飯
こんなところでビール飲んでのんびりしたら
もう自転車漕いで川岸を遡上して帰るのがめんどくさくなっちゃう。
「6月のイタリアは最高だよ!」って山本君が言うから、「じゃあどのくらい最高か見に行くぜ!」って冗談みたいな話から始まったイタリア行きは、いろんな偶然から話が進んで、コーディネーターのユウコさんにすごくお世話になって、何より山本君が自転車を貸してくれて、野口君がええね!行こうよって言ってくれたことで実現した。さんさんと降り注ぐ太陽の下で自転車乗ってると、本当にここにいるのがウソみたいだった。
いつか行こうって思ってること、いつかやろうって思っていることってたくさんあるけど、自分からそれも結構無理して動かなけりゃ、その「いつか」は永遠に来ない。
このイタリア編ではおいしい物食べた、ちょっと自慢ブログみたいな絵柄になってるけど、実際の僕は経済的には全然余裕なんかない。
もうやめちゃったけどとある仕事は数ヶ月も支払いを遅らせる上に、もう請求も入金も終わった後で「ちょっと払い過ぎてる」なんて内訳を勝手な解釈で書き直し始めて、最後は
タダ働きだぜ、意味がわかんない。
でも問題はそんな会社はそこだけじゃないってこと。取引先相手に酷いことをする会社は深海のチョウチンアンコウみたいに口を開けて我々が引っかかるのを待ってるんだ。
もちろん世界にはまともな会社もたくさんあるし、僕はそういうまともな取引先の皆さんおかげで今まで生き延びることができた。気が付けばもう25年以上フリーランスで仕事してきたんだ。
会社に所属していないと、昔はクレジットカードだって作れなかったし、社会的信用は限りなくゼロ。でも今までこれといった後ろ盾も持たずに、なんとかここまで生きて来た。
という訳でまさか旅行のタイミングで危機的状況になるとは思わずに春に買ったイタリア行きの切符だから、イタリアまで来てもいろいろ考えちゃって心底から楽しめていなかった部分もあった。
でもさ、どこかの誰かのおかげで自分の人生までおかしくなっちゃうなんて納得できないし、僕がおかしいと思っても、相手にはそれが当たり前でこっちがおかしいのかも知れない。
自分の人生だ、自分でなんとかするよりない。
だったらもうそういう相手と関わらず自分の人生を取り戻そうって思った。
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「人間はなんのために生きているの?」って甥っ子に聞かれた寅さんは言ってたぜ
「なんていうかなぁ…ああ、生まれて来てよかった!そう思うことが何べんかあるだろ?そのために人間、生きてるんじゃねえのか?」
最後は寅さんの話で申し訳ないが、セリフはこう続くんだ。
「そのうちお前にもそういう時がくるよ、まぁ頑張れ」
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