Wednesday, November 5, 2014

タンクを作る。#1

横のインスタグラムをみてくれてる人は知ってるだろうけど
連休は厚木や美浜サーキットには行きませんでした。
で、どこに行ったかと言えば知多半島の工場!
工場長のショップです。

充実した設備を使わせていただいて
そこで少々音の出る作業をさせてもらったり、
自分ではどうにもならないきれいな溶接をしてもらって
タンクを作ることが今回の使命。
時間は日曜と月曜の2日間
メニューは半割のタンクの上板からタンクを完成させる事。
ストラットの長さを幅を詰めること。
フェンダーの長さと幅を詰める。
そう、外装を全部やり直してくることなんだ。
外装はなかなか一発で簡単には決まらないので
今回はハイテクを駆使、さらに得意のマンガで何度も確認、
さらに細部の納まりを充分検討して、いつも始まる前にある
漠然としたイメージをかなりきちんと数値化してから行く必要があった。
ほら、書道家だってものの10秒で何十万円もする書を書くけど、
作業にかけた時間に値打ちがあるんじゃない、その前の蓄積と修練にこそ値打ちがある。
なんてね。
そうは言ってもこれだってかなり時間かかってるんだよ。


 今日はその下準備編
まずは届けていただいたタンクのアタマを良く観察してみる。
キャップのところが平らなのを嫌がる人もいるけど、僕はここにキャップを付けるのでとても助かる。
背中のカーブ、これは好きな人にはたまらないらしいけど、今回の犬号はなるべく直線的に行きたいのでこれは凹んでもらう。

奥が切りっぱなしのシルエット
手前がヒザや手のひらでぐいぐい曲げて作ったライン。
背中を真っ直ぐにするだけだと、上面と側面の角がキツくなりすぎるから
下に当て金をして鉄の板を間に入れてハンマーでアールを少し甘くしてる。
僕はこっちが好き。タンク上面の水平面との際が、背中の丸みになっていくきっかけなんだ。
タンクの前のアルミの板で隠れた部分から下は、今回は不要

横から見るとタンクの側面が上下に長過ぎるように見えちゃう。

今まで作ってたタンクとの比較
一回り長くなったけど幅は犬ナロートリプル基準なんでほとんど変わらない。
シルエット後部も必要以上に絞らず、
ノーマルに近い感じになってる。
タンクのアールが甘くなって上から見たラインに凹みみたいになってる。
ここには大判のステッカーがくるから、
少しだけパテでエッジを付けなおしてラインを修正する。

でも、右のタンクを見ながら作った訳じゃないんだど、全体の印象はまるで同じ。
こういうのが好きなんだ。
目的はカスタムタンクを作る事ではなくて、
全体に小さくなったフレームと、幅が狭いトリプルに合う
ノーマルタンクを作る事にある。
ノーマルだぜ。
純正ってカッコいいね、とか純正はよく計算されてるね、なんて言う人が多いけど
純正だって人間が作ったものだから、
よく計算して、小さな車体に合わせた純正的なシルエットとスタイルを手に入れたい。
ま、自慢だけど計算は小学生のドリルもすごく時間がかかるバカなんだけどね。
僕は小学生じゃないからそんなに不自由してないよ


こっちはカスタム用ナロータンクの上だけ。
きれいな丸みと自然なアールでよく出来ているけど、さっき言った今回の目的には
適わないのでこれはお休み。
取っておくか、どこかで売っちゃうか。
背中のところを潰したから
もともと真っ直ぐ合ってるはずの合わせが背中だけ当たって前後が開いてる。


いろいろ細かいところは計測したけど
写真で説明出来る下準備はこの辺かな。
では続く…


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