昔から行ったら毎回の様に楽しんでたんだけど、今は医療目的に限って言えばもう合法なんだ。
マットは薬屋が錠剤を入れるオレンジ色の半透明ケースを持っていて
その中には少量の植物が入ってる。
それを気が遠くなるくらいのんびり紙に巻いて僕に渡してくれる。
「わかるか?ここはカリフォルニアだぜ」って。
そしてしばらくするとマットののんびりした動きや話し方が全然気にならなくなって来てマットの長い話に集中出来るようになって来るんだ。
言葉もなんだか理解が増した感じがしてさ。
昔、マットはMCモンクスっていうハードコアなMCに所属してたけど、今は引退している元バイカー。アメリカでバイカーってのは生活の中でバイクが全てに優先してる、日本の感覚で言ったら本物のロクデナシなんだ。
ちょっとスローな喋り方で、いろんなルールと美学に基づいて行動してるんだけど、いつもは薄暗い部屋で赤羽に住んでる恋人のジャスティーナとSkype通話してる。
朝出かける前に話をしてると毛布の下からゴソゴソって電話を出して来て、日本は今何時かな…(夜中の12時だ)って電話が始まっちゃう。
マットの毛布の中はドラえもんのポケットみたいで、
自分が出てるHBJ、実弾入りベレッタPX5、医療用大麻、スマートテレビのリモコン、4速ミッションの部品、ともかくいろんなものが入ってるんだ。
昔のMCの話なんかしてると、「いいか、一度っきりしか見せないぜ」って言いながら当時着ていたパッチ入ったMCのベストをタンスから引っ張り出してくれたり、
去年、HBJと一緒に日本のハーレー屋さんを回ったんだけど、店ごとのいろいろな感想
「あそこはなかなかいいと思うぜ」とか「あいつは年式だけしか気にしてない、だからクラックだらけのクソばっか売ってる、何がサン・ロクだよ!(ここだけ日本語)ファック!あれはナシだぜ」なんてね。
マットの家には何人かが下宿してるから、みんなが使うキッチンやバスルームはとてもきれいになってる。
エンジンを直すガレージには加工用の機械が置いてあって、
もちろんバイクもある。
これはナックルにセルが付けてある。
組んでる途中のエンジンも
ホーニング用のツール
こっちの人はコーヒーやタバコの空き缶にいろんな工具を入れる
旧車だけじゃない、ツインカムもあるよ。
これでグリグリやるんだ
みたいなことをゼスチャーを交えて教えてくれる。
いろんなお店や個人からバイクの修理やOHを請け負ってるとのこと。
どのバイクもエンジンとブレーキには十分な性能を与えてある。
さっきのセル付きナックル
いいなあ
男の仕事場だよ
近所の人もバイクがたくさんあるの知ってるからって
あらゆるところに銃が置いてあって侵入盗に備えてある。
「わかるか?わかるかよ?」って口癖のマット。
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