Wednesday, June 11, 2014

犬キーリングの続き

僕がブログを書きたくない事情はあるにしても、みんなは毎日どんななってるか様子を見に来てくれてるわけで、僕はみなさんにささやかな昼休みの楽しみを提供するのが使命であって。
せめてロウを削ってる途中経過だけでも報告させて下さいな。
前回から作っている犬のパブロフのキーリングの原型製作。
バイクの部品ももちろんだけど、「Inuchopper」と銘打ってモノを作るからには、かならず自分の手を入れて作りたいんだ。
もちろんアイデアを出して、外注さんにお願いするのも、誰か信用の置ける人に実際の作業をやってもらうのも全然アリだと思う。

ただ、僕は自分の能力と時間の許す限り自分で手を使って作りたいんだ。
Tシャツは昔自分でシルク印刷したことがあったんだけど、
白いシャツをインクで汚しまくって商品にならないものが山ほど出来て挫折した。
だから今はデザインだけは自分でやってる。
鋳物は今のところ自分ですべてをやっているけど、他人からはこんなの手でやる削り出しだとバカにされ、他のことやる暇があるなら鋳物やれ!と言われ、本当に悔しいけどこの方法でしか作ることができないので発泡のスタイロフォームを削って自宅で鋳造して重さが半分になるまで手で削る方法でやってる。
自分でもバカだと思うよ。

そして今度は自分で原型作りからアクセサリーの製作に手を染めてる。
気が多いと思うだろうけど、実際その通り。
いつでも自分が夢中になれる新しいことを必死でやりたいだけなんだ。
試作ができて自分用に完成したらもう作りたくなくなることは今からわかってる。

それでも注文を頂けたらとてもうれしいしありがたいから、せめて量産は少しだけやりやすく、短い納期でできるように真鍮や金、銀の鋳造は専門家に頼むことにした。

犬の頭や耳の形や頭の形、口を開けた時の人間の唇にあたるゴムパッキン部分の動きなど、
実際にパブロフの口を開けてみたり、ロープで引っ張りっこして形を観察してはロウで再現する。僕は美術の学校に行ってたけどこういう立体を仕事で作ったのは昔に造形屋でアルバイトして以来。
その時はもっと大きなものをスタイロで作る、いわゆるフェイクをニセモノの素材で作る二重にニセモノ作りの仕事だった。
とても面白かったし練習にもなったけどね。
でも僕は削った後足せるワックスがすごく気に入った。
ワックスは大昔から受け継がれている手法だし、ノウハウが確立されてるから、
素材としてもすごく考えられているし、実際作業がやりやすい。
7th Heavenの馬場さんには本当にいろいろお世話になってます。


ちょっと牙を大きめに、顔はなるべくパブロフに忠実に作ってみたのがこれ。


眺めてたらなんだか大人しそうなんだ。
そこで引っ張りっこを激しくやったり戦いごっこをして表情を研究したのが下。

口の端を持ち上げて眉根にあたる部分を少し高くした。

そう言えばこんな隣人ができたんだ。
ケーブルテレビの箱の上に鳩が巣を作った。
これまた下手クソな巣でさ、下に枝がバラバラ落ちて来るの。
いろいろ調べたら鳩は交代で卵を温めるって書いてあるんだけど、
朝から夜中まで、いつ覗いてもこいつしかいないんだ。
おなか減らないのかな?

さて、さらに形を煮詰めたのがこっち。
眉をさらに盛って顔は睨みの利いた感じにした。耳は上の前側はめくれてて音が聞きやすくなってるのでそれも再現、しわや頭骨の凹みも実物に忠実にしてみた。
これを鋳造屋さんに出して仕上がりを待ちます。
木曜日の夕方には仕上がって来るので、これをさらにきれいに磨いたりディテールを仕上げて、それが本当の原型になる。
なかなか手間のかかる仕事なんです。



先週は大洗にある水族館で仕事して来た。
浜にはきれいな昼顔が咲いてた。

頭骨ってどうして僕の心をこんなに捉えるんだろう。
さあ、次は銀の原型が出来てたらいいな。



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