世界には様々な問題が存在し、多くの人々を苦しめている。
僕を一番悩ませる問題、
それは「素手じゃどうにもならない問題」
今でこそアメリカの高級工具なんか使っちゃってるけど世界の粗悪工具を使い倒して
ここに至った僕は、どんなダメ工具でも工具のありがたさを思い知らされてきた。
素手じゃどうにもならないのである。
アメリカのモハベ砂漠、最近じゃモハーヴェ砂漠って言うらしいが
夕闇迫る砂漠の真ん中でハンドガンやショットガンでカボチャやコーラを撃ちまくる
プリンキングを楽しんだあと、さて帰ろうって言う時にいきなり車が動かなくなった。
エンジンはかかってボォーって言ってるのに進まない。
車はダッジのラム4WD
どっかの郡保安官が使ってた払い下げ車なんだ。
回転灯と無線機以外は全部元の装備が付いてるカッコいいヤツ。
いくらカッコ良くても前に進まなきゃタダの鉄の箱である。
20年前の砂漠の真ん中は携帯電話も通じないし、近くの街までは何マイルもある。
ここで直して帰れなきゃ砂漠のナイトハイキングになっちゃう。
メンバーはアメリカに住んでる現地コーディネーターと
ホンダだかどっかのクライアントと広告代理店、あとはカメラマン。
仕方ない、自分で直すより他はなさそうだ。
すっかり暗くなった砂漠で、チクチクする凶悪ヒッツキ虫みたいな小粒サボテンを背中にいっぱい付けながら下に潜ると、ユニバーサルジョイントを留めるUジョイントっていう
鉄のバンドがちぎれてた。
手持ちの工具がない、ないないって探してたら、
レーザーマンっていう万能ツールを持ってるヤツがいた。
これは映画「スピード」でキアヌ・リーブスがエレベーターのドアを開けるシーンで有名になったいわゆるマルチツールのラジオペンチ。
これで、車の中に転がってたオイル缶を切り開いて四角く畳んで少し厚くして
両端に穴を開けてUジョイントを作った。また下に潜ってちぎれた部品の代わりに取り付けたら、なんと車は普通に動き出したじゃないか!
ま、当たり前か。
ペンチなんてボルトの頭を回したら怒られるし、針金を切るならニッパか番線カッタだし、何にでも使えるけど何にも使えない半端工具だけど
だからこそ何でも使える工具でもある。
ここで僕が得た教訓は
「素手じゃどうにもならない」
「いざとなったら金持ってるクライアントも広告代理店も役に立たない」
「どんな簡単な作戦に出る時も砂漠では水だけは余計に持たなくてはいけない」
この3つ。
もしも昼間だったら、
レーザーマンがなかったら、
オイル缶がなかったら、
ないならないで死んだりはしなかっただろうけど、
容赦ない日差しの下でかなりぐったりしたのは間違いない。
ちょっと脱線しちゃったけど
さて、こないだ作った(まだブログで書いてないね)ギザギザを当ててみる
これじゃレンチの切れっ端にギザギザを貼っただけにしか見えないよ
そこで上に端材を溶接
ペダルのギザギザの下には少し板がないとね。
こんな感じ
昼夜を問わず出来る作業はなるべくアナログ戦法で!
そう、金ノコなのである。
冗談抜きによく切れる金ノコはとても具合がいいよ。
ざっくり切れたところでギザギザを仮止めしてステップ位置を検討する。
ここが現在予定している位置
ノーマルよりさらに低く少し後方に。
今までは結構前進させて高い位置にしてた。
これはこれで悪くなかったが
ステップ位置をすっかりリニューアルしたいのである。
そうするとリアのマスターシリンダも今までの位置ではダメになるし
結局全部をやり直しになる。
ほら、結構違うでしょう?
ここは鉄板貼って位置はある程度自由になるようにしたい。
だってレーサーだからね。
ここでべースのボール紙を鉄に置換
またしても金ノコ
ペグを留めるボルトの頭が高いとエンジンに当たっちゃうので
これの頭を落とす。
旋盤で落とせたらベストなんだけど
なに、手だって出来ないわけじゃない。
根気も努力も大嫌い、ただ手を動かすだけ。
2回で終わるつもりだったけど脱線したんでもう一回続く…
ペグとペダル、ここまで出来ました!
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